[前回のあらすじ]
フィリピーナ彼女とその母親が来日して6日目。名古屋から京都へ。日中限られた時間で嵐山、金閣寺、清水寺へと巡る。陽の落ちた清水寺にてフィリピン彼女が不機嫌に。
[前回記事]
【レンジブログ153】フィリピン彼女と京都観光、嵐山、金閣寺、清水寺
[序章第一話]
【レンジブログ1】日本人経営者と私、フィリピンでの入国審査へ
[第一章第一話]
【レンジブログ33】プライベートフィリピン女性との深夜デート。マラテのディスコ EXKLUSIVE へ
[第二章第一話]
【レンジブログ51】マニラのフィリピーナが初めて日本の地方都市に来る
[第三章第一話]
【レンジブログ71】マニラでビジネス開始。フィリピーナのコンサルティングで法人設立。
レンジブログは第三章で完結しています。
それ以降のエピソードが「オノケンブログ」の内容になります。
[オノケンブログ第一話]
オノケンブログ第一話「転落と後悔」
また、レンジ個人のその後のエピソードは「外伝」という形で記述しています。今まで二つの外伝がそれぞれ完結しています。
[外伝一章第一話]
【レンジブログ101】フィリピーナをフィリピン国内旅行に誘ってみた
[外伝二章第一話]
【レンジブログ121】フィリピンから帰国、その日にフィリピンパブへ
【レンジブログ154】フィリピーナ彼女と京都観光『伏見稲荷神社』へ
ーー部屋でくつろいでから、夕食に行こうと思っていたところ、マルコが急に『キムチ』が食べたいと言い出した。
彼女の顔を見ると私に対して「お前は私がキムチ好きなことくらい当然知っているだろう」と言わんばかりの表情である。
彼女は空腹を感じると、不機嫌を露わにするのだ。
そういえばマニラの韓国焼肉店に行く際、付け添えで出されるキムチが好物だといつも言っていた。
しかし、日本に来てまでピンポイントでそれを食べたいと言い出すとは思わなかった。
キムチかぁ、韓国料理屋あるいは焼肉店だろうか。
コンビニのおつまみキムチでも食べさせればいいのだが、それは許さないだろう。
今彼女からは「キムチ専門店に行きたい」くらいのキムチプレッシャーを感じる。
ーー私たちは車に乗って祇園の街へ。
八坂神社の市営駐車場に車を留め、中心街へ向かった。
週末の夕食時。歩道には人々の大きな流れが出来ていた。
私たちも賑やかな飲食街を歩きながら、それらしい店を探した。
キムチ、キムチ!
いくつか焼肉店を見つけ、その中に入ってみる。
しかし、どこも満席。
私は「絶対キムチ?」とマルコに確認すると、「絶対キムチ!」と返ってくる。
周辺をしばらく歩いた後、落ち着いた通りに入ってみることにした。
古都らしい通りだった。
飲食店のほとんどは料亭などの和食。
とてもキムチなんて置いてあるとは思えないし、何処も予約席で埋まっていた。
ーー焼肉屋を探しまくった。
しかし、週末の祇園周辺はどこも店はお客さんでいっぱい。
一通り歩いて探していたところ、マルコの不機嫌は最高潮だった。
「I don’t walk anymore. (もう歩きたくない。)」
私たちは一度車に戻ることにした。
そうかぁ、さすがにこの時間帯で中心部は難しいか。夕食は何処か予約を取っておけばよかった。
言い訳させてもらうと、今回のマルコ達の訪日に際して、私はホテルを探すことだけで手一杯で、食事についてはその時に何とかなるだろうと考えていた。
ーー仕方なくスマホで付近の「焼肉店」を調べ、片っ端から電話を掛けていった。
そして、ようやく見つけたのはなかなか高そうな焼肉店。
メニュー票を確認する限り、一皿1,000円程度から。
まぁ、良いか。駐車場もあるようだ。ここしかなさそうだし。
それにこれ以上空腹のマルコを待たすことはできない。
私はその電話で予約を入れ、「これからすぐ伺います」と伝えた。
車で5分ほどのところだった。
店内へはすぐ入ることができ、私たちはようやく席に座った。
私は、塩タン、ハラミ、カルビ、ロースを一人前ずつ、ライスとスープをそれぞれオーダーした。
マルコへは『キムチの盛り合わせ』も。これで彼女は満足なはず。
順次オーダーが運ばれてきて、日本の焼肉を焼き始めた。
マルコはキムチの盛り合わせを口にしても未だ不機嫌そうだった。
さすがに6日目の夜、彼女にも疲れが出てきたのだろうか。
ーーその後、食後のコーヒーとケーキが食べたいと言うので、八坂神社近くの喫茶店へ。
そして、この日は皆大人しくホテルへ戻った。
三人とも会話は少なく、早い時間にベッドに入った。
ーー翌日。
クリスマスイブの朝。
「Merry Christmas!(メリークリスマス!)」
お互いに祝福の挨拶で目覚めた。
二人曰くクリスマスは「イブの夕方から明日にかけてが一番大切」とのこと。これは日本のクリスマスイベントと一緒のようだ。
身支度を整え、エントランスへ。
ホテルをチェックアウトして、これからマルコ希望の『伏見稲荷神社』へ向かう。
そしてこの日は、伏見稲荷神社を観光した後、『雪』を見に行く予定だ。
「I’m soooooo excited today! It will be special memory.(今日はマジで超テンション上がってるわ! 特別な思い出よ!)」
おっ、おう。
おそらく彼女の中で『日本でやりたいことの第一位、二位を同時に達成できる』日なのだろう。
伏見稲荷の千本鳥居に何がそんなに魅力があるのかわからないが、彼女は雪同様に見たいと言う。
そして、最も肝心の雪に関して。
私は昨夜ネットで調べながら、それらしいスキー場を琵琶湖周辺に目星を付けた。
営業時間が日中だったため夜は問い合わせができなかった。今日の昼、そのいくつかのスキー場に電話するつもりだった。
……近場で雪があるところがあればいいのだが。
ーー神社へは市街地を走り、ホテルから20分ほどで到着した。
午前10時。
参道にはすでにたくさんの参拝客の姿があった。
出店がたくさん並んでおり、イカの姿焼きやたこ焼き、唐揚げなど売られている。
まるで毎日お祭りのよう。どれも美味しそうだ。
魅力的な匂いに立ち止まりそうになりながら、私たちは本殿、そして『千本鳥居』の方へ向かった。
私も初めて訪れる場所で、何処をどう回れば良いのかよくわからなかった。
マップを確認する限り、本殿の裏手に目当ての場所があるようだった。
とりあえず、人の大きな流れが出来ていたので、それに付いていく。
ーー奥へ進んでいくと、次第に何本かのオレンジ色の鳥居が見えてきた。
おおー、立派な佇まいである。
皆、カメラを手にして写真を撮っていた。
私も「これは素晴らしいところだな」と思いながら、カメラを向ける。
後に聞いたのだが、この伏見稲荷神社の千本鳥居は、『外国人旅行者が京都で行きたい場所ランキングNo.1』を何年も連続で取っているらしい。
……へー。『京都=清水寺』ではないのか。外国の方にとっては『京都=千本鳥居』のようだ。
確かに、外国人の姿の方が圧倒的に多い。
そして、さらに奥に進んでいくと、鳥居のサイズは小さくなっていくのだが、その並ぶ間隔が10cm毎ほどになり、隙間無く並べられているようなエリアへ。
「Oh gosh! What a beautiful place! (素晴らしいわ! 何て美しい場所なの!)」
マルコは感激の声を上げていた。
確かに、この光景はどこかの旅行会社のパンフレットかCMで見たことがある気がする。大変趣深いところだ。
その色が特に……
なぜか、悟空の道着を思い出してしまうのは私だけだろうか。亀仙流の道着である。
いや、失礼。
「Nice place! I’m happy also. (素敵な場所だね! 私も嬉しいよ。)」
マルコと母親と代わる代わる写真を取り合う。
また、近くを歩いていた外国人から「Can you take a picture? (写真いい?)」とお願いされた。
もちろん快諾し、何枚かのショットを撮った。そして、「私たちも良いですか?」とお願いし、私たち三人が収まる写真も撮って貰った。
「Wow, this picture is my treasure in my life! Thank you! (ワオ、この写真は一生の宝物だわ! ありがとう!)」
マルコのご機嫌が良さそうで何より。
その後、しばらく神社内を散策して、参道に戻った。
ーーここでマルコのご機嫌ポイントがさらに上がる。
参道のお土産屋にて『コナンのキーホルダー』を発見!
一つ500円を、ハンとマルコ用に二つ購入した。
お土産屋のおばちゃんに「ありがとうございます!このために京都に来たんです!」と謎の感謝を伝えた。
ーー駐車場へ戻ってきた。
まだ、午前中。
さて、これから今日のメイン。
『雪』を見に行くのである。
出発前に候補のスキー場に電話をかけた。
とりあえず目星を付けていた『びわ湖バレイ』に問い合わせる。
京都市内から近く、人工雪の設備もあるスキー場だ。
「もしもし。少しお尋ねしたいんですが、そちら『雪』はありますか?」
「えー、申し訳ありません。ただ今営業はしておりますが、ゲレンデには僅かな雪しかありません……。おそらくこの気温だと今日のお昼には解けきってしまうと思います。」
私はとてつもなく嫌な予感がした。
その後、京都から近いスキー場へ片っ端から電話をかけていった。
しかし、何処も雪がない。
ヤバい。
『マルコに日本で雪を見てもらう』と言う一番大切な目的が果たせない。
最悪これから、東北地方、北海道へ? いや、そんなアホなことは出来ない。
なんとか車で行ける範囲のところで無いだろうか。
私は祈る気持ちで電話をかけ続けた。
そして、あるスキー場に電話を掛けたところ……。
「はい。ロッジから見えます。リフトは動いていませんので、雪をご覧頂くだけなら」
「ほっ、本当ですかっ!?」
「……そうですね。気温が高いですが、本日と明日いっぱいは未だ保ちそうです」
「あわわわっ! ありがとうございますっ!! これから伺います!」
「はい。お車でお越しの際は、道路に一部降雪が残っておりますので、お気を付けてお越しください。」
京都からは少し遠い。いや、かなり遠い。なんなら逆戻りだ。名古屋からの方が近い。
しかし! しかし!!
ようやく『雪』があると言うスキー場が見つかった。
その名は……
奥息吹スキー場
本当にありがとうございます。
勝手ながら、最大級の感謝を伝えさせて頂きます。
あまりにも私の感謝の気持ちが強すぎるため、外部リンクを貼らないと気が済みません。
[奥息吹スキー場ホームページ]
https://www.okuibuki.co.jp/green/
(クレマニをご覧の皆さん、ウィンタースポーツを楽しむ際は是非「奥息吹スキー場様」へお越しください!
ちなみに次シーズン(2019-2020年)は、「GRANSNOW奥伊吹(グランスノー)」と名称を変更する予定とのこと。よろしくお願いします!)
ーー私は嬉しく、マルコに「雪山が見つかった」と伝える。
「Marco, I finally found snow mountain. (マルコ、とうとう雪山を見つけたよ。)」
「Oh gosh! Really!? (なんてこと! 本当に!?)」
ーー来日前から「暖冬の為、今回の日程では難しい」と伝えていた。
滞在中も一向に雪が降りそうにはなかった。
「Hopefully! (お願いします!)」
彼女も本当に楽しみに期待していた雪。
それが見える。
私たちは歓喜した。
クリスマスイブに雪が見える!
ーー「Yeah, It takes over three hours. Okay? (ええ、三時間以上掛かるけど。大丈夫?)」
「Sure! Oh my god! I can see SNOW!(もちろん! あー神様、雪を見ることができるわ!)」
私たちは一般道から高速道路に乗り、奥息吹スキー場へ向かった。
そして、そこには白銀の世界が待っているはずだったのだが……。
しかし、いくら惚れたカノジョのためとはいえ、ここまで甘やかすてのは… ん〜 どぅなんですかね、レンジ殿!?
雪が見えそうで良かったですね
レンジさんは優し過ぎる。
同じ男として腹立たしいくらいに。
だけどそれが悪いとは言えない……
なぜならこれだけ多くの皆さんからしじされているからです。
クレマニはオノケンさんや他のタイターさんとで成り立っているようですが、参謀はレンジさんだとばればれです笑
その重要人物であるはずのレンジさんがまたダメダメ、クソ人間(ごめんなさい)であるため、面白いのだと思います。
安定感出てきたなw
まぁ、皆さん惚れた相手にはこんな感じでは?
ましてや年齢差ある彼女。
頑張れレンジさん!
来週からマニラです。
お二人の姿を探したいと思います。
お会い出来ればウレションなのですが…
フィリピーナってなんであんなに韓国焼肉が好きなんでしょうね…
夜遊びアフターではいつもそれです。午前3時以降にはどの店でも同じようなカップルやグループを見かけますね