レンジ 画像
クレイジーマニラの記事は、実際の旅行や取材を元に記述しています。小説風のストーリ仕立てで記述していますので、過去の記事を参照頂けると話の内容が理解しやすいかと思います。また、登場人物の名前等は仮名を用いているところがあります。

 

 

[レンジブログのあらすじ]

日本の普通の会社員であったレンジ(私)は、数年前に知人の紹介でフィリピンのマニラを初めて訪れる。

次第に現地の夜遊びやフィリピーナに魅了され、頻繁に渡航するようになる。

そして、複数の女性と交際したり、現地でビジネスを始めたりなど少し特異な経験をしていく。

 


[レンジは30代半ば。ぽっちゃりおっさん]

 

そんなある日、日本の会社の後輩であるオノケンを「リアルドラゴンクエスト」という文言で、マニラ旅行へ誘う。

彼も同様にフィリピンにハマってしまい、毎月のようにマニラへ向かう。

フィリピーナを相手にそれぞれの恋愛珍道中を楽しみ悲しみ、燃えに燃え、モゲにモゲる。

そんな中、『クレイジーマニラ』と言うブログを二人でスタート。

今ではポットさんを始め、複数のライターさんに支えられるブログサイトに成長した。

 

 

レンジブログは第三章で、一度完結しています。

そして、それ以降のエピソードが『オノケンブログ』の内容になります。

オノケンブログ

[オノケンブログ第一話]
オノケンブログ第一話「転落と後悔」
クレイジーマニラ オノケンブログ 大人気ブログ

 

また、レンジ個人のその後のエピソードは「外伝」という形で記述しています。今まで四つの外伝がそれぞれ完結しています。

レンジブログ外伝

【外伝一章】ダバオ家族旅行
[第一話]
【レンジブログ101】フィリピーナをフィリピン国内旅行に誘ってみた

 

【外伝二章】マニラの闇
[第一話]
【レンジブログ121】フィリピンから帰国、その日にフィリピンパブへ

 

【外伝三章】フィリピーナ日本襲来
[第一話]
【レンジブログ140】フィリピーナ彼女を初めて日本へ招待してみた

 

【外伝四章】日本人男性の岐路
[第一話]
【レンジブログ159】年末のマニラへフィリピンの元彼女を探しに飛び立つ

 

そして、先週末に第一章を完結したポットブログ。こちらも是非お読みいただければ幸いです。

[ポットブログ第一話を始めから読んでみたい方↓]

 

 

ーー読者の皆さんへ。

筆者レンジより。

今回の外伝は、レンジブログでは書ききれなかった裏エピソードを紹介していきたいと思います。

おそらく皆さんが期待しているようなブスな内容です。

 

もしよろしければ、このストーリーにお付き合いください。

 

それでは、レンジ外伝五章、第一話をスタートさせて頂きます。

 

 

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レンジブログ外伝五章 ~ブス担当の由来~

 

 

[外伝五章プロローグ]

 

 

 

『ブス』

 

この言葉にはいろいろな意味があるだろう。

主には、見た目の悪さ、発言の気持ち悪さを指すだろうか。

私の場合はルックスもさることながら、その素行そのものがブスなのである。

 

人が絶対に選択しないであろう道を、無意識のうちに選んでしまう。

嫌悪感を抱かれるようなことすら好んでしてしまう。

 

その結果、周囲を振り回し、心情的に傷つけることもあるだろう。

私自身が傷つくこともある。

 

しかし、私は止めることができない。

反省知らずの根っからのブスなのだ。

自分の生きたいように生き、死ぬまでフルスロットルで進みたい。

一度きりの人生、楽しんだもの勝ちである。

その結果、『ブス』と呼ばれるなら光栄だ。

 

 

 

外伝五章 第一話

 

【レンジブログ181】マニラで人質に!? ショットガンで撃たれる!?

 

ーーマニラでビジネスを始めた頃。

 

私は月に二回ほどのペースで、10日間ほどの滞在を繰り返していた時期がある。

 

一時、マラテエリアのコンドミニアムにて一室を借りていた。

知人所有の物件で一日1,000ペソ。清掃サービス込みだったので、格安にもかかわらず、ほぼホテル暮らしと同じような生活だった。

 

場所は、マビニ通りの南、ホテルSOGOの近くのエリアだ。

 


[ホテルSOGO マラテ(現在は取り壊されている)]

 

私はそこからオフィスへ出勤、そして夜は各地で夜遊びをすると言うブスルーティン。

 

皆さん、ご存じのことと思うが、このマビニ通りの南側はとんでもなく治安が悪かった(エルミタ付近もご注意を)。

殺人事件、暴行事件、スリやひったくりも良く聞いた。近年でも日本人が犠牲になっている。

 

また、KTVやバーなどもいくつかあった。

枕営業を主とするようなところで、何処も良い噂は聞かない。旅行者の方々はあまり近づかない方が良いだろう。

一本向こう側のデルピラ通りも同様。マニラに慣れてくればそれほど怖くはないが、用心に越したことはない。

 

マニラ夜遊び マラテ 繁華街 飲み屋 ktv
[マニラ マラテ マビニ通り 夜の様子]

 

ーーある日、私はコンドミニアムからマカティ方面へ出勤するため、送迎車が待つ地下駐車場へ降りようとしていた。

 

エレベーターが地下に着き、扉が開いた時。

 

突然、タガログ語の怒声が響いてきた。男性同士の口論、聞いたことがないほど大荒れな口調だった。

異様な緊張感はすぐに伝わってきた。

 

その時。

 

私は背後からいきなり首を掴まれ、けん銃のようなものを頭に向けられた。

見知らぬフィリピン人男性。

タガログ語で私に向かって何かを叫んでいる。

息も服も臭っ、誰だっ!?

 

すでに脱糞するほどの恐怖。

 

訳も分からぬまま、おどおどしていると、またすぐ別の男性が現れた。

駐車場のガードマンだ。

ショットガンを構え、こちらに近づいてくる。彼もまた何かを叫んでいた。

 

……今、これ。

俺、人質?

しっ、死ぬぅ!!

 

レンジ 人質 日本人男性

 

ようやく状況を理解した私はどうすることも出来ず、助けを乞うた。

 

「Heeelp!! Heeelp!! (助けて!! 助けて!!)」

 

しかし、二人は何やら叫び合うだけで、私のことなど無視だ。

おそらく「先に銃を捨てろ」のようなことを言い合っている。

 

アクション映画で良く見るシーンのやつ、これ。

頼む、解放してくれ。俺、関係ないじゃん……。

恐怖のあまり、下半身から出うる液体なり固体なりが既に出始めていた。

 

ーーその時、ガードマンが突然黙った。

 


[マニラのガードマンイメージ(写真の方は事件とは無関係)]

 

そして、ショットガンをゆっくり下に向けたと思った瞬間……

 

『バンッ!!!』

 

撃つんかーいっ!!

ぶっ放しやがった。

 

渇いた落雷のような発砲音。

鼓膜が弾け、瞬間、強烈な熱さを感じた。

 

はうああああっ!?

俺、俺、俺、撃たれた!?

ヤバっ、死ぬっ!?

 

鮮血がにじみ出てくる。

 

「あうあうあ、あうあうあうあ……」

 

人間、末期になると顎が持ち上がらなくなる。

私は撃たれた箇所を抑えながら、膝から崩れ落ちた。

 

そして、発砲にビビったのか、私に利用価値が無くなったと判断したのか、男は私を突き飛ばし、車列の陰に隠れた。

 

ガードマンはそちらにショットガンを構え、車越しに再び叫び始めた。

投降するよう促している。

 

それよりも、私、私、私のことは!?

撃っただろうが!! 助けてくれっ!!

 

ーーしかし、車の向こうから男の声は聞こえない。

姿が消えている。

 

どうやら車の死角から逃げて行ったようだ。

 

ガードマンは男を追うか、私を介抱するか悩んでいた。そして、無線を取り、誰かと交信している。

 

撃たれた部分から今度は激痛が伝わってきた。

 

「あうあうあ、あうあうあうあ……」

 

私は一刻も早く救急車を呼んで欲しかった。死への恐怖感で『救急車』の英単語が出てこない。

どうすれば良いのだ、仕事どころではない。病院と、大使館にも連絡か。いや、それまで保つ命なのか。

 

ーーガードマンは「救急車も呼んだ!」と言い、私の傷を見せろと言う。

私は止血のため必死に抑えていたのだが、強引に腕を引っ張られた。

 

……

 

ん?

出血はそこまでない。

と言うか、ほぼ止まっている。

 

散弾を喰らったと思ったのだが……。

 

んんっ?

 

床のコンクリートが弾かれ、その小石がスネに強打しただけだった。

 




 

ーー苦笑いのガードマン。

笑ってんじゃねぇぞ。威嚇射撃だろうが、ぶっ放しやがって。

私はパンツの中の方が気になっている。ここまでの恐怖だ。出ているものは出ている。

 

この不思議な空気の中、彼は再び無線を掛けだした。おそらく「救急車は必要ない、警察だ。犯人を追ってくれ」のようなことを言っていた。

 

ーー駐車場ゲートの詰所でカットバンを貰った。

ガードマンは「ここにいろ」と言う。私は一度部屋へ戻り、着替えたかったがその指示に従った。

 

ビジネスパートナーのナオミに電話を掛け、

「ごめん、トラブル。うん、大丈夫。撃たれたと思ったら小石だった。でも、今日は仕事ダメだと思う」

と伝えた。

 

間もなく警官たちが地下駐車場へ来て、私も現場検証に付き合う。

英語での対応だったが、概要は全て伝えた。

どうやら、犯人は『車上荒らし』で、その現場を見つけたガードマンと口論になったらしい。その時に、私がちょうどエレベーターを降りてきて、人質になるという謎の事件だ。

 

ーーガードマンとともにポリスへ。

私は何も悪くないのに、長時間の勾留の末、何枚かの報告書にサインした。

 

マニラ 警察署
[マニラの警察署イメージ]

 

署を出たのは、もう日暮れ時だった。

 

ーーとんだ災難である。

朝っぱらから人質になって、パンツがビシャビシャになる思いをさせられて、目の前でショットガンをぶっ放されて、小石がぶつかってきて、署で長時間聴取。

その間に「この日本人、なんか臭くね?」と言われる始末。パンツを変えることすら出来ていない……。

くそっ、署で異臭騒ぎとは。終始、何故か私が悪者の雰囲気だった。

 

しかも、小石の傷がまだちょっと痛いし。

 

むーん。

このイライラ、行き場のない怒り。ストレスフルの極地。

どうしてくれようか。

 

ーー私はコンドミニアムに戻り、シャワーを浴びた。

そして、外食しながら、今宵の夜遊び作戦を立てる。

 

 

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レンジ
オノケンと同じ会社の先輩であったレンジ。数年前からマニラを訪れるようになり、やがて現地法人を持つまでに。趣味は海外サッカーTV観戦。 実体験に基づいたフィリピンにおけるマニラの闇、貧困と格差、現地ビジネスなどオノケンとは違う視点の記事をアップしていきたいと思います。

24 コメント

  1. 今までクレマニよんでリアルにのめりこんだのは、レンジさんのマリーのマンションでの出来事です。ポットさんの最終話の終わり方も中々のものでした。待ってました。

    • 小虎さん、いつもコメントありがとうございます!
      はい、この外伝では「KTV時代のマリー」も出てきます。
      彼女の恐怖のエピソードもぶっ込んでいきますので、どうぞよろしくお願いいたします!

  2. プロローグから映画のような始まり方ですね? いきなりぶっ放されたんですね。
    それにしても液体固体漏らしてるのは映倫を通りませんねw
    いやぁ、ホントに人の命が安い国だ。巻き込まれたくないですね~( ̄▽ ̄;)
    ツカミからこの状態だと本編は激辛仕様かも?でも、ブス仕様なんですよね?どうなることやらw
    楽しみ~(^^)d

    • Ackieさん、いつもコメントありがとうございます!
      ですね、至近距離から足元へぶっ放されました。ビビりすぎて、脱糞ブースターで飛んで行けそうでした。

      >ツカミからこの状態だと
      そうですねー。少なくとも前章のようなことではなく、今まで書いてこなかったブスな経験を書いて行こうかなと思っています。よろしくお願いいたします!

  3. 許可証さえあれば数万PHPで銃が所持出来る国です。
    駐在時代には、マネージャークラス、車のドライバーには銃を所持させていました。
    幸い危ない目にあった事はなかったですが、気を付けて下さい。

    • Ninaさん、いつもコメントありがとうございます!
      ですよね、怖いです。
      申し訳ありません、サイトポリシー上、銃刀の購入やその情報に関しての詳細は掛けないので。

      >、気を付けて下さい
      ご心配ありがとうございます!
      今後ともよろしくお願いいたします!

  4. いやー、待ってました!
    久しぶりのレンジブログ。もう連載しないのかと思っていたので、超嬉しいっ!
    ポットさんのも面白かったです!
    そして真打ち登場って感じですねw
    初っ端からオモロいww
    やったー!!

    • 匿名さん、ありがとうございます!
      真打ではなく「ブス登場」です!
      また違った感覚でお楽しみいただければ幸いです!

  5. お漏らしの気持ちわかります(笑)
    私もジョリビーで朝食中にセキュリティーと強盗が揉めて銃ぶっぱなされてトイレに逃げてガクブル(゜ロ゜;ノ)ノでした。
    続きが楽しみになってきました。
    ブス満開のレンジさん楽しみにしてます。

    • グッチさん、コメントありがとうございます!
      ガクブルからの放屁ブースターで脱出したい気分でしたね。
      驚きのあまり、若干毛量が増えたような気がします笑

  6. ライターさん達、皆さん個性豊かで最高に面白いですよー
    クレイジーマニラは毎日欠かさず見に来ます
    応援もしてます
    連載頑張ってレンジさん?

    • ラバーさん、お世話になっております。
      頑張ります。頑張ります。おそらく頑張れます。
      皆さんんの応援クリック、応援クリック、応援クリック・・・
      よろしくお願いいたします!笑

  7. この写真の警察署、私も4人組の12〜14歳ぐらいの女の子に引ったくり似合い
    ここで事情聴取を受けましたよ!その後私服警官?‍♀️と一緒に飲みに行き
    その警官は、飲酒運転で400ccのバイクで時速100キロぐらいで、あの細いマラテに路地を
    疾走して帰っていきました。
    私はその姿に唖然とすると共に、自分の状況は、セーフティーなんだと再確認しました。

    • エグさん、コメントありがとうございます!
      それも相当なエピソードですね!やんちゃな警官の方も居ますよね笑
      ひったくりやスリには気を付けたいですよね。この後の記事でも紹介したいと思います。
      今後ともよろしくお願いいたします!

  8. フィリピンでは何度か銃を練習しましたが、銃関係で怖い思いをしたことは、まだないです

    LAカフェでスリにあったり、串まさの前の路上の両替商に1万円をだまし取られたり、ナンパした女子にスマホを盗まれたり、ナンパした女子がバクラだったり、というのはありますが、このような経験がこれからありそうな気がして、身震いがしました。

    ほんと、リアルドラクエですね・・・。勉強になります(^_-)-☆

    これからも、楽しみにしています☆彡

    • ダイさん、コメントありがとうございます!

      >これからありそうな気がして、身震いがしました
      そうですね。大統領が変わってからかなり治安は改善されたように感じますが、
      未だにマニラの北側カローカンでは大量の麻薬押収事件があるなど、
      まだまだ危ないのは間違いありません。

      このコロナ禍で、経済的に困っている人も多いはず。治安悪化の方も心配ですね。

  9. このエピソード、過去に聞きましたけど。
    目の前で発砲されたらさすがに漏れますわ。
    「小石かーいw」
    ま、ご無事で何よりです。

  10. いやいやいやいや・・・
    ブスいとか、リアルドラクエとか言ってる場合じゃないですね。
    チキンな自分なら、ショック死しそう・・・。
    まあ、それだけ色々な危険が身近な所ということですね。

    初っぱなから本領発揮で、これからの展開が更に楽しみです。

    • G1Rさん、コメントありがとうございます!
      ポットさんからのバトンタッチは、オノケンから以上にプレッシャーを感じております。
      ポット第一章のラストが素晴らし過ぎたので。笑

      私の方はいつものレンジワールド全開、マイペースで書いて行こうと思います!
      よろしくお願いします!

  11. 小石かーいww
    SOGO近くのコンド・・・むぅ。わが行きつけKTVの近くや。
    確かにちょこっと暗いので少し怖い場所。
    デルピラールのヤキトリドリには、よくいったなぁ、という淡い思い出。
    レンジ外伝、楽しみにしてます。

    • DONDONさん、いつもコメントありがとうございます!
      そうですね。
      なんじゃこりゃー!! からのまさか小石とは。
      自分にビビりましたね。

      SOGO近くはよく徘徊していたので、雰囲気よく分かります。DONDONさんともすれ違っていたかも笑

      >デルピラールのヤキトリドリ
      ですねー。ロックダウン直前も私、その辺にいたので。あの賑わいが早く戻ってほしいですね!

      連載頑張ります!!

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