[ブス、死す！？ブスとブスなデブが崩れ落ち、重なり合う地獄絵図]

フィリピーナとの同伴でカラオケ店に。

いつものゴリラモードが発動した私は、アヤを御姫様抱っこ。

それを見ていた現在ビール３ℓは飲んでいる泥酔中のレンジさん。

彼が突然叫んだ。

“俺もお姫様抱っこしてやるよ”

そう言うと、べスに近づくレンジさん。

べスはお姫様抱っこされることが嬉しいのか、ブスな顔していやーん♡みたいに言いつつもまんざらでもない様子。

私としては泥酔でお姫様抱っこは大丈夫かと一抹の不安があった。

ぐっと腰を下げ、べスを両手で支える。

レンジ「よいしょー！！」

べス「キャッキャ―！！」

おぉ、持ち上がった。

レンジ「それそれー！！」

お姫様抱っこしたまま走り出した。

が、その約4歩目。

レンジさんが“うっ”というような声にならない声をあげたかと思えば、べスを前方に放り投げた。

ちょうど前方にあったソファーに叩きつけられるべス。

そしてジャーマンスープレックスような形でレンジさんが彼女に体を浴びせる。

私「地獄！！どうしたんですか！？」

レンジ「ぐぅ…うぅ～～～腰が・・・」

ちょうど10日ほど前。

レンジさんはぎっくり腰になっていた。

その3日後にはなんとか歩けるようにはなっていたが、今でもしばしばピキッと来る時があるようだった。

そんな中、泥酔のため１の倍数でアホになる状態のレンジさんはそんなことも忘れてべスをお姫様抱っこしたのだ。

べスもかなり痛そうだ。

助走付きでいきなりソファーに放り投げられ、挙句の果てにレンジさんが降ってきたのだ。

怪我も心配だが、精神的なダメージもすさまじいことだろう。

私「ブ…べス、大丈夫か？」

べス「大丈夫じゃない。レンジ、あんた頭おかしいの？」

レンジ「違うよ腰が」

べス「放り投げるとか信じられない！！Ｆ××Ｋ！！」

レンジ「いや、腰がピキッて。一週間前にね、ぎっくり腰…英語でなんて言うの？魔女の一撃よね？ウィッチアタック？とにかくとんでもない腰痛になって、今も完全には癒えてなくてね。それでね…」

べス「×○※＆％＃！！！」

レンジ「え、なんて言った？」

べス「（‘＄＃！）（’％！！）」

べスが怒りでタガログ語で猛烈に文句を言っているが、私はもちろん、泥酔中のレンジさんも彼女が何を言っているかわからない。

しばらくタガログで怒りのセリフを吐いたべスは、テーブル上に残ったポテトやから揚げの一部を紙で包んで自分のカバンに入れ、アヤと共に部屋をでてった。

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