10時間以上の格闘の末、名古屋のフィリピンパブでブチ切れ！？

[死を迎えた5軒目。オノケン目線]

完全に体力の限界。

もう立っているのもやっとだ。

なにしろ私たちはもうフィリピンパブで10時間ほど飲んでいる。

にも関わらず、レンジさんの口から出た言葉は“もう一軒”である。

さすがのポットさんも引いている。

私「レンジさん、さすがに無理です。帰ります」

レンジ「いいじゃん、あと一軒だけ」

ポット「オノケン、もう顔青白いし、もう無理でしょ。俺ら二人で行こうか」

レンジ「大丈夫です。彼はまだ伸びます。行こうケンさん！！」

私「さっきの店もそうですけど、僕ほとんど寝てました。お金の無駄でしょう」

レンジ「いいじゃん行こうよ。頼むって！！」

私「嫌。帰る。眠いどころの話じゃない」←イラつきすぎてタメ語

レンジ「わかった！じゃあ最初の20分寝てていいから！！」

私「寝てていいからって．．．いや、それでもお金発生しているんですよ？無駄遣いにもほどがあります」

レンジ「いいじゃん奢る奢る！！行くぞおら！！」

・・・

もう7時前。

辺りは完全に明るい。

もう半日近くフィリピンパブで飲んでいる。

日曜日だが、通勤通学途中とみられる学生やサラリーマンが歩いている。

この人たちはそれぞれの人生頑張っているのに、私は今、一体何に頑張っているんだろう。

レンジさんは今日一番元気だ。

うっしゃあ行くぞーーー！！

と叫んでいる。

外である。朝である。

私が今まで彼から聞いたことのない声量で．．．だ。

迷惑だ。変質者だ。

どう歩いたかなんて全く覚えていないが、気がつけばまた新たなフィリピンパブのソファに座っていた。

着いて早々にレンジさんはテキーラをオーダー。

ここでも完全にポットさんは引いている。

私は、ソファに座ったまま口にしていたマスクを少し上にずらし、目と口を覆う形にして寝始めた。

・・・

がばっ！！

ビタ―――ン！！

ワイノワイノ♪♪

“20分寝てていいから”

私はそれに従い、序盤．．．あわよくばこのフィリピンパブでの時間すべてを寝て過ごそうとした。

しかし、寝に入ってまもなく、レンジさんの手によってがばっ！！とはぎ取られた私のマスクは、はぎ取られたことを理解する間もないほどに、次の瞬間、ビタ――ン！！と私の顔めがけて投げつけられた。

そしてその犯人（レンジさん）は何事もなかったかのように、フィリピーナ数人と列をなしてワイノワイノ♪と踊り始めた。

・・・ぶちっ

いや、お前が寝てていいっていうたんやろがい！！

と心の中で叫んですくっと立ち上がる。

こいつはもういいが、ポットさんには失礼をお詫びしとかないとと思い、

“ポットさん！失礼を承知ですが、帰ります！もう無理です！！”

とだけ言って、踊り狂う豚には一瞥もなく店を出た。

朝日が眩しい。

・・・帰ろう。

ホテルに戻るともう7時過ぎ．．．

3時間くらいしか寝られない．．．

ズボンと上着を同時脱ぎ。おしっこしながら歯を磨く．．．

できるだけ最短でベットに入ったものの、慣れていないベットと枕．．．そして酔いで逆にほとんど寝られず、起床の時間を迎えた。

この旅も終わった。

後は、帰るだけ。

が、まだまだ波乱は続くのであった。

次回　5軒目ポット目線。オノケン離脱後の地獄のような時間。