オノケン新章。つまらなかった日々にお別れを告げる時が来た

ニノイアキノ国際空港にて

ーーあなた方は飛行機には乗れません。

え？いやいや、冗談でしょ？

いえ、冗談ではありません。乗れません。

え、いやいやお願いします。乗せてください。日本帰りたいんです。

あなたたちが悪いんです。無理です。

嘘だろおい。

…おい

…豚。ゴラァ。とりあえず一発殴らせろや。

コロナ禍初となるフィリピン旅行に向け計画を立てる

時は2022年6月。くらいだったたぶん。

長かった海外旅行規制も大幅に緩和され、日本でもようやく条件があるものの、観光に出られるようになった。

私ももうすっかりフィリピン旅行が人生のルーティンに入らない生活にずいぶんと慣れ、

まぁ、行けるようになったら、一回くらいは最後に行ってもいいし、行かなくてもいいし…

と3年ほど前とはずいぶんとフィリピン離れした生活になっていた。

フィリピンロックダウンをして2年以上。元々、やる気…いや、ヤル気のないフィリピーナとは連絡をあまり取らないタイプの人間だったため、この2年のうち、早々にフィリピーナとは全く連絡を取らなくなった。

ハナ…彼女一人を除いて。

ハナ…私の章の最後の辺をみてもらえばわかるが、拉致？監禁？殺害？その辺りを想像させる出来事を起こした張本人。

まさか、あのハナと2年以上経った今でも連絡が続いているとは夢にも思わなかった。

というか、彼女である。付き合っている。

なぜハナとあんなことがありながら、関係を戻し、彼女になるまでになったのか。

話が長くなるので、余裕があれば外伝ででも彼女とのこの2年強について語れたら語りたい。

その2年強を一言で表すのであれば、

私は彼女のパーフェクトボディを忘れられなかった。

現在の状況で言うと、しつこいようだが、あんなことがあったのに、熱々カップルといったところだ。

その他のフィリピーナは全滅。

私にとって、次で最後になるかもしれないフィリピン旅の目的はただ一つ。

ハナを抱く。飽きるまで抱く。

それだけだ。

陰性証明はネックだが、フィリピン入国時はワクチンブースターまでしておけばオッケーなのを知り、私のフィリピンに対する思いに急に火がついた。

そして、現在では遠く離れたところで働いていて、滅多に連絡を取らなくなってしまったレンジさんにメッセージを入れる。

レンジさんレンジさん！フィリピン旅行行きましょう！もう帰りの陰性証明だけで行けます。

うーん、俺はどちらでもいいかな。もう年だし。

いやいや、お前急に老けたなおい。肥えて老けていよいよ出荷かおい。

いやぁ、もうなんだか新しい彼女を作るために目の色変えて通うような気力がないんだよね。

マリー（レンジさんの長年の彼女。フィリピンでの運命の人と言っても過言ではない）はどうなってるんですか？

たまにだけど連絡は取ってるよ。

じゃあそれに会いに行きましょうよ。今何してるんです？

子どももいるし、お金がないからって、結局マカティの真理子で働いてるみたい。

なるほど。では行きましょう。

まぁ…ケンさんが行くなら行こうかな。

レンジさんのフィリピン熱はだいぶ下がってしまったようだ。だが、私も入国でなにがあるかわからない。治安が悪くなってると聞いた。陰性証明とか一人じゃ無理…そんなことで、久しぶりの今回は絶対にレンジさんと一緒でないと嫌だったので、半ば強引に旅行を決めた。