名古屋に降臨。トラウマフィリピンパブ巡業が開始される

[オノケン目線]

10月のある日、スマホが鳴る。

ブーブーブー

レンジさんか。とりあえず無視でいいか。

それからそのメッセージを確認したのは、半日以上経過してからのこと。

レンジ「ＹＯＹＯケンさん元気してる？ハッピーしてる？」

うぜぇ．．．

返信したのは、2日ほど経ったころだ。

私「元気です。久しぶりですね」

そう、コロナの始まりより1年と半年ほど経ったその頃。私たちの境遇もずいぶん変わっていた。以前はレンジさんと私は会社の同僚だったが、それから別々の道を歩むこととなり、現在は住んでいるところもずいぶんと遠いところだ。

そのため、連絡を取り合うこともめっきり減ってしまった。

メッセージを返すと、レンジさんから着信があった。

私「はい」

レンジ「ブリュ」

私「はっ？」

レンジ「俺の屁。縁起物」

私「耳が腐ります」

レンジ「ご無沙汰しております。お元気されていますでしょうか？」

私「前回のメッセージからの温度差よ。私は元気しています。レンジさんは聞くまでもなさそうですね」

レンジ「ところで本題なんだけどさ」

私「何かあると思ってはいましたが、久しぶりの会話で本題までが早いのよ。もっとこうあるでしょ、最近景気どう？とか、筋トレがんばってる？とか」

レンジ「最近景気どう？筋トレがんばってる？」

私「で、本題は何ですか？」

レンジ「名古屋いかない？」

私「今くそほど忙しいので行きません。なぜわざわざ名古屋まで行かないといけないんですか？そんな時間があるなら僕は寝たいです、筋トレしたいです。要件はそれだけですか？切っても大丈夫ですか？」

レンジ「まぁ、待て。名古屋でポットさんに会うのよ」

私「ポットさんに？」

レンジ「クレマニでは大変お世話になってるからね。やっぱり一度は会ってお礼をしないと」

私「いつですか？」

レンジ「今週どう？」

私「さようなら」

レンジ「ケンさんの良い日どりでいいよ」

私「12月中旬に東京に行く予定があるので、それなら1泊くらいならいけます」

レンジ「2ヵ月後か．．．ＯＫ，予定開けてて開けてて」

それから2か月後の東京。

昼前にレンジさんと東京駅で合流し、名古屋まで一緒に行くことになった。

私は約束の時間の10分ほど前に到着した。

が、時間の2分前。

ごめん、家でるの遅れた。少し遅刻します。

．．．相変わらずだなあの豚は。

それから20分ほど待たされてレンジさんが到着。

レンジ「ごめんごめん」

私「．．．いいです。別に急ぐ旅でもありませんし」

レンジ「あら、優しいのね。久しぶりに叱責されると思ったのに」

私「フィリピン行きの待ち合わせでは烈火のごとく怒ります。新幹線載っている間、失禁しても電気アンマを食らわし続けますが、まぁ、今日は急ぎではないので。待っている間に人気のタピオカドリンク買えましたし。てか．．．その荷物は何ですか？」

レンジ「お土産よお土産。見てごらん。テンションあがるよ」

私「これは．．．サンミゲル？」

レンジ「テンションあがるでしょ！？」

私「そうですね。ライトとレッドホースとアップルですか．．．グラスもセットなんですね」

レンジ「おおよ！アマゾンで買ったの！ケンさんいる！？」

私「いえ、荷物になるんで大丈夫です」

レンジ「じゃあ新幹線で飲もう。で、あまったやつをポットさんにあげよう」

私「そうですね。たぶんポットさんも荷物になるんでいらないでしょうけど」

新幹線に乗っている時間は2時間ほどだった。

いつもそうだが、レンジさんとは1対1でも会話があまり途切れることがないのが不思議だ。

これは今日久しぶりにあったからなどではなく、同じ職場で働いていた時もなんだかんだで会話が続く謎現象だ。

名古屋に到着。

ホテルにチェックインしたのは15時頃。

ポットさんとは5時半頃に待ち合わせをする予定で、有名人も通うという高級焼肉屋を予約しているとのこと。

ホテルにて。

レンジ「腹減ったな」

私「腹減りましたね」

レンジ「あと2時間はあるから、何か食べに行く？」

私「いいですね、何食います？」

レンジ「焼肉で良くない？」

私「5時半からポットさんと焼肉食うのに1軒目が焼肉ですか。つっこむことにも疲れました。そうですね、焼肉屋のはしごをしましょう」

※ポットさんと私の記事を交互にと思っていましたが、ポットさんに遭遇するまでの文章が長くなってしまったので、一回ここで切ります。次回、ポットさんに遭遇するまで後編をお届けします。明日も更新します。