【エッジブログ12】マニラ駐在員、マッサージ店の女性と恋に落ちる

 

 [エッジブログ前回のあらすじ]

エッジは、アジアの担当者として台湾への出張で忙しい日々を送っていた。何度かのマニラ出張を経て、マニラ駐在員となる。ある日、別の駐在員と食事をしていると『パンパン』について相談される。
【エッジブログ11】マニラ駐在員の謎、パンパン音って鳴ってます！？

 

 

※クレイジーマニラでは現在まで、以下の四つのブログがメインコンテンツでした。

 

上記に、今秋『エッジブログ』が新しく加わりました。

内容は全く新しい連載物で、他ブログとは別ストーリーになります。

 

それでは、エッジブログ第12話をスタートさせていただきます。

 

 

 

 

【エッジブログ12】マニラ駐在員、マッサージ店の女性と恋に落ちる

 

ーーマニラ駐在時代のある日。

ゴルフ帰りに普段行ったことのないマッサージ屋へ行ってみた。

新しく開店したという話は少し前から知っていたが、日本人が行ったという話は聞いていなかった。

なんとなく興味が湧いてくる。

『これは行ってみなきゃ！』と思い行ってみることにした。

もちろん、これは駐在員として知っておかなければならない現地情報なのである。

ぼったくってくるような店に出張者やお客さんを案内することはできない。

私が危険を冒してでも調べなければ、ということである。

イヤ、ホントに(きっぱり！)

 

ーーそんな訳で、そのお店に行ってみる。

何の変哲もない雑居ビルの２階にひっそりとあった。

お店はなぜかわからないが細長く、マッサージを受ける個室も細長かった。

このビルのどこにそんなスペースがあるのか、とにかく細長い。

 

ーー案内されると入り口から３室目ぐらいの部屋に案内される。

そして、圧倒的に真っ当なマッサージを受け、明朗会計をする。

料金は高くもなく割と良心的だった。

 

ん？　はうあっ！

受付の女の子が目に入ってきた。

さっきはいなかった、が、とんでもなくかわいかった。

 

マジで可愛い……。

私は一瞬にして心を奪われた。

しばらくこの店に通うことになるくらい気に入ってしまった。

もちろんしっかり調査するためであることは言うまでもない。

 

マッサージ店の調査はとりあえず置いておくが、その子、名は『ジュール』という。

細くスレンダーで目がクリっとした、少したれ目の女の子であった。

髪はショートで、少しライトなブラウンで軽く毛先が巻いていた。

全体にふんわりとした髪形だ。

 

[ジュールの似顔絵]

 

『細身でショートカット』は私の好みとしてど真ん中なのである。

彼女との会話で、「今は田舎から出て来てシェアハウスで何人かで共同生活をおくっている」と。

 

ーー何度目かの来店を経た頃。

彼女とはだいぶ親しくなっており、受付でコーヒーを飲みながら立ち話をすることもあり、食事にでも誘ってみることにした。

時期はクリスマスシーズンだ。

町も人も浮足立っている。

誰もがこのクリスマスを大事な人と一緒に過ごそうと思っても不思議ではない。

肌寒くもない南国でのクリスマスである。

どちらかというと、しっぽりというよりもヒャッハーな感じのクリスマスである。

そもそもハローウィン明けからクリスマスの準備に入ってしまうお国柄である。

 

ーー仕事の方も１２月に入り、ほぼ停滞してきて、お客さんはクリスマス休暇しか頭にない。

何なら「ニューイヤーもそのまま休暇だぜ」的な雰囲気のオーラ全開である。

顧客訪問しても、「もう今年は来なくていい」という空気をバシバシだしてくるので開店休業状態になる。

 

ーーそんな時期。

シーズン中の予定を組むには出遅れていた。

なんせ、クリスマスまであと１週間だ。

ひと月も前からウルトラマンですらM78星雲に戻らず、マニラで３分タイマーを壊して長居する気満々なのである。

 

 

……ジュールも忙しいだろう。

当然、もう予定があったりするんだろうなぁ、と思いつつ、誘ってみることにした。

 

彼女にクリスマスの予定をそれとなく聞いてみる。

すると「特に予定はない」と。

 

「じゃあ、一緒に過ごさない？」

 

「いいよ。一緒にいよ！」

 

ぶふぁあっ！！

マジか！

想像してほしい。ドラクエのトルネコが昇竜拳をぶっ放した様な気分なのだ。もちろんトルネコの感情はわからないが。

 

それから連絡先を交換し、当日までほぼ大した用もないのに連絡を取り合った。

高校生か？

思春期くらい、それぐらい舞い上がっていたのである。

 

ーー当日、タクシーで迎えに行き、ステーキ屋でたらふく飲み食いをした。

そして、ホテルのジャズライブを見に行った。

今もそうかもしれないが、年末年始はホテルでライブなんかがよく行われていた。

この時はインターコンチネンタルホテルのライブに行った。

 

[インターコンチネンタルホテル外観]

 

会場に案内され並んで席に着く。

ぴったり寄り添う感じで座りウェルカムドリンクのカクテルで乾杯する。

みるみる会場は人でいっぱいになってきた。

……よく予約を取れたものだ。

 

そして、ライブが始まった。

カップルが多かったのか、情熱的な曲が多く、なんか異様な盛り上がりを見せていた。

ライブハウスに行ってもロックばっかり聞いている私にはチンプンカンプンだったが、それでもわかる曲が何曲もあり楽しめた。

 

ーー日付が変わるころ、カウントダウンが始まり最高潮となる。

 

３、

２、

１、

０！

 

ふたりで見つめ合い、

「メリークリスマス」と囁きあいキスを交わす。

恥ずかしいとか全然無く、まわりもみんなキスしまくっていたからか、しばらく時間が止まったように思えた。

周りの音がかき消され二人の息遣いだけが聞こえていた。

しばらくして、まわりで拍手が起こり意識が呼び戻されると、まわりの人々は立ち上がり演奏者にスタンディングオベーションを贈っていた。

私たちも立ち上がり拍手を贈り席に着いた。

二人とも笑顔だった。

 

 

ーーざわつく会場を後にし、私のコンドミニアムに帰る。

タクシーの中でもぴったり体を寄せてくる。

こんなにぴったり体を寄せてくるものなのか。

『親密になる時の壁が低いのか？』と思いながらコンドミニアムに到着する。

 

ーー部屋に戻ると自然と体を寄せ合い、キスをしながらベッドに倒れこむ。

 

そこからはあまりよく覚えていないが、お互いの服を脱がせあい絡まっていく。

二人がお互いを求めあい、ベッドから羽毛布団や枕なんかが床に落ちる。

時間が止まっているかのように愛を確かめ合う。

おもむろに枕元のボードに置いてある日本製の帽子を取り、キュッとかぶろうとする。

 

ジュールはそれを取り払い、怒ったような目つきをし、

 

「なんでこんなのつけるの？」

 

 

 

[エッジブログ第12話終わり]

 

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次回、エッジブログ第13話「避妊具を嫌がるフィリピーナ！？」

 

 

 

 

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