リョウコが部屋に入ってきた。

昨日は胸元がぱっくりと空いた黒のロングドレスであったが、今日は白色のロングドレスを着ていた。

私(心の中)「う、美しすぎるぜリョウコ。絶対に彼女にしたい」

服装に目を奪われていたが、いざ顔を見るとやはり怒っている。

私「リョウコ、怒ってる？」

リョウコ「オコッテナイヨ」

私(心の中)「いや、怒ってるやん」

私「トレーニングから戻ったのが10時で、そこからレンジさんが帰ってくるのを待ってて、この時間になったんだよ」

リョウコ「ワカッタ。私ダイジョウブ」

わかっているとも大丈夫だとも思えない素っ気なさである。
早々に私の英語力では説得の限界が訪れた。

私(心の中)「ふっ、リョウコよ。この展開になることを俺が予想できていないとでも思ったかい？俺をなめちゃいけないよ。君は予想できていないかもしれないが、俺にはリーサルウェポンがあるんだぜ。

くくくっ。さぁ、見よ！！

これが俺の！！

リーサルウェポンだ！！」

私「レンジさん、助けてください。僕では英語できちんと弁明なんてできません」

レンジ「おー、わかった。任しとき」

そう、困ったときのレンジさんである。

レンジさんは今までの成り行きをリョウコに説明してくれた。

付け加えて

レンジ「リョウコ、ケンさんは決してパロパロ(浮気者)な人間ではないよ。私は日本での彼のことをよく知っている。彼は本当にいい人間なんだ。ケンさんは私のおすすめです」

とフォローまで入れてくれていた。

私(心の中)「レンジさん、あんたってー人は、なんていいフォローをしてくれるんだい」

リョウコは納得してくれたそうで、私の顔を触り、

リョウコ「私もボーリングの約束破ってしまってごめんなさい」

私「いいんだよマイベイビー」←気持ち悪い

私(心の中)「ありがとうレンジさん。あなたのお陰でこちらはなんとかなりそうです。後はそちら側で頑張ってください」

そう、レンジさんはその頃、マリーにお説教中であった。

レンジ「今日、俺もケンさんも楽しみにしてたんだよ。ずっと待っていたし、マンションまで迎えに行った。日本人はね、約束をすごく大事にしてて」

マリー「ワカッテル！！」

マリーが少し大きな声を出す。でもレンジさんは止めない。

レンジ「いや、わかってない。わかってたらまずごめんなさいでしょ？なぜそれが言えないの？だいたいマリーは前から約束をよく破るし、この前だって…(クドクドクドクド)」

私(心の中)「うそん。めっちゃ責めてるやん。責めすぎちゃいけないよってあなた言ってたじゃない。しかもあのマリーに。地雷がたくさんある地をハンマーでバンバン地面を叩きながら進むある意味勇者」

私はいつ爆発するかわからないマリーの表情を見ていられず、とりあえずリョウコとイチャコラしていた。

数分にわたるレンジさんの説教が終わった。

マリーはどんな顔をしているんだろうとマリーの方を見てみたら…

次回　KTV花と蝶(HANA TO CHO)フィリピン女性に説教は通用するか