【レンジブログ189】女性関係の忙しさはビジネスの調子と比例!?

 

 [レンジブログ 前回のあらすじ]

今から数年前、レンジがマニラでビジネスをスタートさせた頃、オノケンをフィリピンへ誘う数か月前のエピソード。
自宅にフィリピーナを残し、今度はフィリピーナ彼女のマリーの自宅へ。そこで目にした光景とは!?
【レンジブログ188】フィリピーナ彼女の自宅へ!! またしても事件!?

 

 

クレイジーマニラでは以下の三つのブログがメインコンテンツです。
平日に『小説ブログ連載』、週末は『トピックス（コラム）』をアップしています。

現在は【レンジブログ外伝五章】を連載中です。

 

[筆者レンジより]

読者の皆さんへ。

いつもクレイジーマニラをご覧いただき、本当にありがとうございます。

また、コメントをくださる方々、ラジオを聞いてくださる方々、いつもありがとうございます。

 

ーーさて。

昨日の記事では、久しぶりに『マリーの自宅』の話について紹介しました。

ラジオでも話したのですが、かなりの闇を感じる空間でして。

そして、オノケンがフィリピンへ来るようになった頃、ある事件が起きます。

[オノケンブログ過去記事]
フィリピーナ彼女からの衝撃の告白。フィリピンの闇に触れる

この記事の真実は、実際には誤解だったのですが、未知の部分は未だに残っています。

例えば、なぜマリーが大金を持っていたのかなど……。

分からないことは多いですよね。

 

それでは、レンジブログ189話をスタートいたします！

 

 

 

 

 

【レンジブログ189】女性関係の忙しさはビジネスの調子と比例!?

 

ーーサンから多数の着信とメッセージ。その最後の文言は、

 

「私、ポリス呼んだわ」

 

うえぇえっ！？

どういうこと！？

 

時刻は14時頃。メッセージ受信は数分前だった。

 

私はマリーの首元から腕を抜き、ベッドからそっと降りる。

彼女がまだ寝ていることを確認し、サンに電話を返そうと部屋を出た。

 

……隣の弟カップルの部屋は静かになっている。朝方のバトルロワイヤルは終了したようだ。

 

廊下で電話はまずいので、一階へ降りる。

 

ーーうおっ！？

 

[マリー宅、１階キッチン]

 

マリーの弟が一人でTVを見ていた。

部屋は暗かったが、上半身は裸、短パンだけの姿なのはわかった。

彼はこちらに気付くと、ニコッと笑顔を返してきた。

私は戸惑いながらも「おはよう」と伝え、『電話のため外に出るよ』というジェスチャーをした。

 

……と言うことは今、弟の彼氏とメイドのテツヤがあの部屋で二人寝ているのか？

彼らは一体どんな関係性なのだ……。

 

それよりも、サン！

 

ーーマリーの自宅を出て、廊下にてサンに電話を掛ける。

 

[コンドミニアム廊下にて]

 

彼女はすぐに電話に出た。

 

「Sun!　I’m near the Condo!  I’m almost home!（サン！　もう近くにいるよ！　もう帰るから！）」

「Hello, Range! Kyahahaha! (こんにちは、レンジ！きゃはははっ！）」

 

彼女は爆笑していた。

 

「…Why police!? (……何で警察!?）」

「Ah… Just joke! Kyahahaha! (あー…　冗談よ！　きゃはははっ！）」

 

じょ、冗談！？

この日３回目の警察沙汰になるところなんだぞ。冗談って……。

しかも「またお前か、この異臭野郎！」となるだろうし、

サンと一緒ならば「お前の彼女もどうなってんだ！？」と言われかねない。

警察内で語り継がれるだろうカップルになってしまうところだった。

 

……ひとまず安心して、電話を切る。

 

ーー私はコンドミニアムを出て、タクシーに乗り自宅へ戻った。

 

[自宅リビング]

 

彼女は軽装で、ソファに座って私を待っていた。

 

「I’m so sorry. I’m just busy. (本当にごめんね。ちょっと忙しくて。）」

「I’m okay! Kyahahaha! （大丈夫よ！　きゃはははっ！）」

 

彼女はお腹が空いたと言うので、私はその場でマクドナルドのデリバリーをお願いした。

 

サンにメッセージの事情を聴くと、

「目が覚めたらレンジが居なくて、怖くなった。何か事件かなと思って、警察に連絡しようかと。でも、メッセージに『仕事に行く』と入っているのに気付いて止めた。するとすぐにレンジから電話が掛かってきた」

とのこと。

おー、良かった。

さらに、

「526の仕事は辞めるわ。疲れたし、レンジと一緒に居たいし、とりあえずしばらくは出勤しない」

と言う。

 

おっ、おう。

 

[自宅キッチン]

 

ーーデリバリーが到着し、二人で遅めの昼食を取った。

お腹が空いていたのだろう。二人ともモグモグ食べた。

 

「Range, I’m sleepy… （レンジ、眠たい……）」

「Yeah, me too. (そうだね。俺も。）」

 

お互いに睡眠時間は少ない。

その後、二人ともシャワーを浴び、一緒にベッドルームへ。

 

この時、私の鼻は多少の『慣れ』があったのと、３時間ほど寝ることが出来たお陰か元気があったのである。

 

……お昼寝ついでにワンチャンを達成した。

 

ーーインターホンで目覚めたのは、日が暮れた頃だった。

 

サンは横で寝ている。

 

私はほぼ体力が回復していたため、目覚めは良かった。

エントランスからのコールは、ビジネスパートナーの『ナオミ』だった。

彼女が自宅まで訪ねてきたようだ。

 

私はその場で「どうしたの？」と聞くと、「ちょっとトラブルが……」と言う。

確かに昨日はその件で忙しくなるはずだった。

でも今はサンが部屋にいるのだが……。

 

少し考えた末、私はナオミを部屋に通すことにした。

 

ーー「Good evening, Sir! (こんばんは、ダンナ！）」

 

[ビジネスパートナーのナオミ似顔絵]

 

彼女はバナナの大きな房と、大量のカットケーキを両手に持ち、部屋に入ってきた。

 

「Naomi, What’s that? （ナオミ、それは？）」

「Snacks, Sir! Are you hungry!?　（おやつよ、ダンナ！　お腹空いてるでしょ!?）」

 

いや、それは一家族分以上のカロリーがあるぞ。

 

ーーナオミは自分の家のように、冷蔵庫にケーキをしまい、お茶を入れ始めた。

そして、バナナを二つもぎ取り、一つを私にくれた。

 

『……クンッ、……クンッ』

 

バナナを食べるナオミが、鼻を鳴らし始めた。

始めはバナナを嗅いでいたが、これではないと判断したのだろう。

 

「Sir… Do you have a big dog? (ダンナ……　大型犬でも飼ってるの？）」

 

うおっ!?　さすがに彼女も気付いたか？

サンはまだ向こうのベッドルームで寝ている。

きっと彼女の『体臭』に感づいたのだ。

 

「Ah…　Ya, yeah! I like dogs. （あー……　そっ、そうだね！　犬は好きだよ。）」

 

私はそう言いながら、室内にライトブルーをそっと振り撒いた。

 

 

ーーナオミの言うトラブルはビジネス上のもの。

クライアントから、こちらが提供した資料や納品した商品にクレームが付いたのである。

それを明日までに修正して、商品も見直してほしいとのこと。

 

顧客は韓国人。

このときはマカティにもオフィスを借りていた。後にマラテから移転する目的もあり、その業務はすでに新オフィスで行う必要があった。

 

実は、昨日そこへ行く予定だったのだが、いろいろとトラブルがあり叶わなかった。

んー、これからマカティか……。

 

ーー私はサンを起こすことにした。

 

[自宅ベッドルーム]

 

サンは眠たそうにしていたが、素直に起きてくれた。

私は彼女をナオミに紹介する。「ガールフレンドです」と。

 

ナオミは私の女性関係をほぼ知っている。したがって、このように新しい女性を紹介するのは珍しいことではない。

しかし、やはり彼女の鼻がピクピク動くのが気になった。

 

それにしてもサン。彼女はナオミと話しながら、さらに爆笑していた。

この子……　もしかして……

太っている人をキャラクターか何かだと思っているのか？

 

ーー私はサンに事情を説明し、「ナオミと一緒にマカティへ行くけど、よかったら自宅まで送ろうか？」と伝える。

サンも同意し、三人でマカティへ向かった。

 

夕刻のラッシュもあり、道路は大混雑。

マラテからは１時間半ほどを要した。

 

ーーサンの自宅近くで彼女を降ろし、ナオミと二人でオフィスへ。

 

[マカティのオフィスイメージ]

 

ーーオフィス内には私たち以外に二人出社していた。

今日は日曜日なのに、申し訳ない。

私が昨日出勤できなかったからだ。

私は皆に謝罪した。しかし、優しいことに皆私の心配をしてくれた。

 

とりあえず私は「昨日、一日に二回も警察に行ったんだよ。まいったよ」と言うことは伝えた。

皆、爆笑してくれたのが救いである。

 

ーー作業自体は２時間ほどで完了した。

あとは資料の印刷のみ。

明日からは少し忙しくなるぞ。新規のクライアントともミーティングが重なっている。

 

ーー午後９時を過ぎたころ。

一度、皆と解散し、私だけもう少しパソコン仕事をすることにした。

 

その時を狙っていたかのように、私のスマホに通知が入る。

 

まずマリーから、

「Where’re you now!? （てめぇ、何処に行きやがった！？）」

 

続いてサンから、

「Are you busy tonight? （今夜は忙しいの？）」

 

ザリからも、

「When can I see you? （いつ会えるの？）」

 

など、交際女性たちから。

他にもKTVの女性たちからは「ご飯食べた？」と言う挨拶がたくさん入ってくる。

 

そして、あるメッセージが私の手を震わせる。

 

 

「I’m hungry. When will you finish your work? (お腹空いたわ。いつ仕事終わるの？）」

 

 

……マルコからだった。

 

 

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