【エッジブログ３】駐在のマニラ夜遊びと挨拶回り、みんな仕事してんの！？

 

 [エッジブログ前回のあらすじ]

エッジは、アジアの担当者として台湾への出張で忙しい日々を送っていた。そして、今度はフィリピン駐在！？　まずは初のフィリピン出張へ。
【エッジブログ２】マニラ駐在先のボス登場、夜遊び相棒との出会い！

 

 

※クレイジーマニラでは現在まで、以下の四つのブログがメインコンテンツでした。

 

上記に、今秋『エッジブログ』が新しく加わりました。

内容は全く新しい連載物で、他ブログとは別ストーリーになります。

 

それでは、エッジブログ第３話をスタートさせていただきます。

 

 

 

 

【エッジブログ３】駐在のマニラ夜遊びと挨拶回り、みんな仕事してんの！？

 

ーーオフィスを出て、マカティ・アベニューを南下する。

目的のレストランへ。

 

到着したのは、突き当たったところにあるパサイロード沿いの古びた２階建ての食堂のようなお店。

町の中華飯店みたいな佇まいだ。

店の前は駐車場になっているが、３台も停まれば満杯だった。

名は『天天（TienTien）』という鍋料理専門店。

店内の照明がすごく明るい……。

なぜそんなに明るくしているのか？　ま、暗くても何でと思うが。

 

ここは今後赴任中もその後も、何十回とお世話になるお店との出会いであった。

安くて美味い鍋料理の店で重宝することになる。

まず伝票に必要な具材を必要数書き込み、店員さんに渡すと大きなお盆に載せて持ってきてくれる。

後はお客が好きに鍋を楽しむ。

だいたいここで食べる時は『鍋奉行』がメンバーの中に一人は居て、その人が取り仕切ってくれるので楽である。

お任せしておけば美味しい鍋が完成する。

下手に邪魔をしてはいけない。面倒だし。

布陣が整うのを飲みながら待つのが流儀だ。

 

翌日に知ることになるのだが、この初回の鍋奉行がプロマネで工事事務所のトップだったりする。

なぜ教えてくれないの？

大事じゃない、そこ？

 

まぁ、私たちが遅れて到着したので、すでに到着済みの６名ほどをお奉行様が仕切られていて、簡単な自己紹介をして終わっていたからではあるんだけど。

ま、１回で名前覚えきらんし、いいのだが……。

 

すっかり美味しい鍋を堪能しお店を出てバラバラ散っていく中、一部一緒にKTVに行くことなる。

この中には事務所で会ったウルトラマンの青年もいた。

彼の話を聞いていると、今日集まっていたのはボスと私以外みんな工事事務所関係者だったそうな。

確かに作業着を着ている人もチラホラ。

でもバロンタガログを着ている人も数名いた。やはり楽なのだろう。

 

さて初フィリピン、初夜遊び開始である。

 

連れていかれたKTVは何やらドブ川の横に並ぶKTV群の１店『Geminus』という店だった。

後にその辺りを「クリークサイドと言う」と教えられる。

まぁ、ドブ川の辺である。

ここにも今後よく行くお店が連なっていた。駐在員を含め相当数の日本人が集まっていたようだ。

 

Geminusはこじんまりとしていて、お客さんが１０人も入ったら結構いっぱいになる感じだった。

特に個室はなく、オープンスペースでカラオケを楽しむ気さくな店のようだ。

 

お店に入ると女の子たちが一斉に立ち上がり、

「いらっしゃいーまーせー！」

と大きな声でご挨拶。

 

[KTVのイメージ]

 

さてここでついてくれる女の子を選ぶ訳だが、『ショーアップ』という儀式が執り行われるのである。

チーママみたいな人が女の子を連れて来て、テーブルの周りに一斉に並ばせるのである。

なかなか壮観である。

しかし、初めてのショーアップでドキドキして、雰囲気に飲み込まれてしまう。

あまり覚えていないのだが、かわいい感じというより素朴な感じの女の子が多かった気がする。

 

中にはベテランのヤリ手も居たが、私の視界には入ってこさせなかった。そこまで脇は甘くない。

 

この夜は１セットだけ楽しんだ。

「明日また行くから今日は帰ろう」ということになり、ウルトラマンにホテルまで送ってもらう。

 

[ウルトラマンの似顔絵]

 

明日は事務所に立ち寄らず直接工事事務所に行くことになったのでウルトラマンが迎えに来てくれることになった。

 

いよいよ、プロマネとちゃんと話をすることになる。楽しみだ。

 

流石に疲れていたのかホテルに戻るとバタンキュー。

 

ーー気が付くと翌朝だった。

 

フィリピン出張、２日目。

身支度をして朝食へ。１階にあるデリカテッセンに行く。

ホテルのデリカテッセンではあるが小さい売店の様だった。

ショーケースは大きくいろんな具材が陳列されていた。

ここでボリュームのあるサンドウィッチを作ってもらいモシャモシャ食べる。

ちなみにパストラミビーフと野菜をぶっこんだサンドウィッチが、サイズも大きく安くてお腹一杯にしてくれるお気に入りだった。

 

そうこうしているとウルトラマンが迎えに来てくれた。早速出かける。

 

「エッジさん、昨日はよく寝られました？」

「すぐ落ちましたよ」

「初日でしたからね。今日は忙しいっすよ。工事事務所に、商社、ＪＩＣＡ、大使館、他を回ってご挨拶。僕は工事事務所までですけど」

「ホントにオレここ決定っぽいですね。まだちゃんと了承もしてないし、承認も下りてないんじゃないかな？」

「もう決定の連絡が来てるって聞きましたけど。あはははっ！」

「まぁ、いいんですけどね。あははは……」

 

マニラ駐在か……。

外堀を速乾性のコンクリートで固められて雁字搦めにされた感じを悟り、覚悟を決めた瞬間でもあった。

 

ーー工事事務所へ到着。車寄せに着いて車の外に出る。

午前中だけど太陽の日差しが痛い。

工事関係者も多いと聞いているが、外の作業は堪ったものじゃないなと痛感する。

 

急いで建物の中に入る。中は空気が澱んでいてさらに暑い。どういうこと？

ウルトラマンが笑いながら、

「あぁ、また自家発電機が故障してるっぽいですね。ちょっと我慢です。あはははっ」

と言う。

「はぁ。すごい環境ですね」

「ええ、よくあるんで。あはははっ」

 

奥へ入って行くと、正面の大きなデスクの後ろ、書類の山の間に人影が。

昨晩見たお奉行様だ、発見！

汗をかきながらＴシャツ一枚でタオルを首から垂らしている。

暑いのか忙しいのか、少し不機嫌な感じだ。

 

[鍋奉行様の似顔絵]

 

「エッジ君、よく来たな！　おはよう！　ウルトラマン、管理会社に空調のこと言っといて！　まぁ、君はそこの椅子に座って！」

やはり忙しいようだ。

「これからよろしくお願いします！」

「おぉ、覚悟決めたか！　君んとこの部長から『見極めて』って言われてたんだ。オッケー、オッケー！」

 

おぉ、覚悟決めててよかった！

 

「ところで、エッジ君はゴルフはやるのか？」

 

ごるふ？　ゴルフのことか？

「いや、ないっす！」と答えると、

 

「そうか、じゃあ、宿題な。日本戻ったらゴルフ用具一式そろえてから赴任な！　歓迎ゴルフ大会は・・・３カ月後ぐらいだな。うん。それまでは赴任してから打ちっぱなしで毎日練習だな。ボニファシオと言ってもわからんだろうけど。そこに打ちっ放しの練習施設があるから、練習はそこでがんばれ！」

 

え、宿題？

こんな宿題あり？

 

「他に何かあるか？　無けりゃ……　じゃ、今後もよろしく～！」

「はぁ……、よろしくお願いします」

 

すごくあっさり挨拶終了。

仕事の話とかは良いのだろうか？

 

「エッジさん、終わった？　じゃあ、事務所まで送りますね。お奉行様、業者に言っておきました。午前中には修理に来るって言ってましたよ」

「じゃあ、午後だな。わかった。ありがとう」

 

午前中に来ないのか？

ウルトラマンは慣れた様子で、

「時間にゆるいからねぇ、こっちの人は。あはははっ」

と。笑い過ぎだろうに。

 

なるほど、それにしても色々学ぶことが多いな。

実際は修理の業者が来たのは夕方だったらしい。

 

 

ーーその後、商社、ＪＩＣＡ、大使館などを周り、挨拶させてもらった。

内容は何とほとんどゴルフの話だった。

他にも話した気もするが覚えていない。

それくらいゴルフの話が毎度出てきた。

出張報告にもそう記述したら、書き直させられた。事実なのに……。

 

で、だから、皆さん仕事は？

 

ーーそうこうしている内にもう夕方である。

現地社員とも挨拶し、流れ作業のように定時にはそそくさと皆退社していった。

それを見送る立場として、駐在するであろう私。

もしかして、あまり残業とかしないのかも。まぁ、必要なければしたくない。

 

そして、事務所にはガードマンと私が残されてコーヒーを飲みながら話し込んでいた。

交代制ではあるが夜間も警備しているとのこと。大変なお仕事だ。

 

しばらくすると、ボスが帰ってきて「ちょっと仕事片づけるから待ってて」と言われる。

 

[ボスの似顔絵]

 

その間、日本からの電話がけっこう頻繁に入ってきた。

私が応対していると営業部門からは現地の感想を聞かれ、技術部門からは夜の開拓情報を聞かれる。

両方から言われたことをまとめると、

『夜の市場開拓を最重要フォロー案件として対処せよ！』

とのことだった。

 

いや、だから、みんな仕事は！！

 

「エッジ君、日本からなんだって？」

「夜の市場開拓をがんばれ、だそうです」

「そうか、頼むぞ！」

 

え、あんたもかい！？

 

「エッジ君、そこ、大事！　君が来ることになってホントに良かった！」

 

ボス逃げた～！　どういうこと！？

 

「実は今晩、挨拶に行った商社と会食だよ。高級日本料理店に行くからね……」

 

話逸らしたぞっ！？

それにしても、マニラで高級ってそんなところあるのか？

ＥＤＳＡって通り沿いにあるらしいのだが、行くのが大変だとか。

そもそもＥＤＳＡってなんだ？

 

ボスは「まぁ、行けばわかる」と……。

 

 

[エッジブログ第３話終わり]

 

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次回、エッジブログ第４話「商社マンと夜遊びへ、ゴーゴーバーも！？」

 

 

 

 

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